推薦コメント

齊藤由香さん「地球上の全ての生命体へと向けられたジョアンナ・メイシーの愛と覚悟」

齊藤由香(さいとう ゆか)
翻訳家・共生革命家
2011年よりジョアンナ・メイシーのもとで学び、日本人としては初のWork that Reconnects Networkingに名を連ねるWTRファシリテーターである。 バークレー在住。ベイエリアおよび日本においてWTRワークショップをファシリテートしている。

ジョアンナは美しいものが大好きです。それが自然のものであれ、人の手によって作られたものであれ、この世の中の美しさというものに対して、どうやら彼女は否応なくこころが震えるようです。例えば、彼女の家の庭にある大きな木に咲く白い花に、月明かりが静かに降り注いでいる様子。夕暮れ時、キッチンの窓から差し込む切り裂くようなオレンジ色の太陽の光。夜咲きのジャスミンの素晴らしい香りや、焼きたての魚の香ばしさ。そうしたもの一つ一つに子供のような興奮を覚え、手を胸にあてて静かに立っている彼女を見ていると、わたし達の普段の生活にはどれほど多くの美しさが溢れていることかとあらためて気づかされます。こうした美しさを彼女はこころから愛しているのでしょう。

今回出版される『アクティブ・ホープ』の副題は「どうすれば正気を失わずに自分たちのつくり出した混乱に向き合えるのか」となっています。この副題には、人間だけでなく地球上の全ての生命体へと向けられたジョアンナ・メイシーの愛と覚悟が込められているように思います。
本書には、彼女のつくった「つながりを取り戻すワーク」という体験的ワークの骨組みとなっている考えや物語が綴られています。全編に通底している包み込むような温かさのなかに、時として厳しく、時に相手をたじろがせるほどの率直さで切り込んでくるような問いかけや、彼女自身の揺るぎない判断基準とかたい意志がみられます。それはあたかも著者ジョアンナ・メイシーの人柄そのままのようです。

彼女の愛が言葉となって私たちに語りかけてくるこの本を、一人でも多くの方が読んでくださることをこころから願っています。