5. ワークをガイド

第5章 つながりを取り戻すワークをガイドするには

歴史上、私たちの運命がこれほどまでに絡み合っていたことはかつてなかった。私たちが直面している危機はあまりにも大きく複雑で、自分一人では適切な対処どころか、それを理解することすら難しい。私たちが運命共同体であるという事実には、途方もなく大きな意味合いが含まれている。それは、心を開いて謙虚な姿勢でともに危機に向き合う中で、私たちは互いのつながりと行動を起こす力を再発見することを意味しているのだ。

これが「つながりを取り戻すワーク」に集う人びとの経験だ。このワークの効果については、システム理論、心理学、霊的な教えなどの観点から説明できる。とはいえ、このワークが持つ変容力の底力は、これがグループで経験された時にこそ発揮される。

グループワークのメリット

ワークショップは焦点を絞り、集中するための時間を提供する。私たちが直面する地球規模の危機は、あまりに広範囲かつ凄まじく、現実とはまるでかけ離れているようにすら見える。そのため、慌ただしく過ぎる毎日の中でそれについて話すとしても、じきに話題を変えてしまわずにはいられない。ワークショップは、いわば時間の流れの中に浮かぶ孤島のようなものだ。そこでは一切の邪魔や雑事から離れ、仲間とともに、現実に対する深い反応を時間をかけて徹底的に探ってゆく。またグループで取り組むことは、対象に焦点を合わせ続ける助けとなる。

グループワークはサポートを提供する。大破綻に向き合う中で呼び起こされた自然な感情は、一人で扱うには苛酷だ。この時、ワークショップは楽園あるいは実験室のような役割を果たす。この場において、私たちの感情的な反応は、他の人とも広く共有されていることに気づく。普段の生活では得難いコミュニティの感覚もここから得られる。

ワークショップは安全を提供する。グループワークでは、普段とは異なる振る舞い方を練習する。反論や解決策をひねり出すことに飛びつかず、この惑星時間を思う時に生まれる深い感情に徹底的に互いの耳を傾け合ってゆくのだ。ここでは、誰かを守りながら恐れを表現する必要もなければ、夢を語るのに説明する必要もない。

ワークショップは真実を語る場を提供する。私たちが使うプラクティスは、世界に起こっている出来事について、自分がどう感じ、どう理解し、何を目にしているのかについて、説明や自己弁護の必要なく真実を語ることを可能にする。それらは、私たちによって言葉にされ、私たちによって聞かれるべき世界の声なのだ。

グループワークは相乗効果(シナジー)を生み出す。いかに短時間であったとしても、グループの活力の中から生み出されたものは、予期せぬ形でその創造性を発揮する。互いの交流を通じて、どのグループからもそれぞれにユニークなつながりが育くまれてゆく。生命が本来持っている協働的性質が、グループが生み出す相乗効果によって鮮やかに浮かび上がってくるのだ。

グループワークはコミュニティを生み出す。ワークショップは、継続的な関係性の構築や協働プロジェクトを生み出す機会を提供する。参加者たちの多くが、相互サポートや協働を目的としてその後も連絡を取り合っている。また、たとえ互いに二度と会うことはないとしても、その後の他者との出会いの中で、これまでとは異なる誠実さと寛容さが自分自身の内側にあるのが感じられる。ワークショップで培われたコミュニティの感覚は、私たちの日常生活へと受け継がれてゆく。

グループでの協働作業によってシステムの特徴が体験的に証明される。参加者たちはグループとしてまとまりを持ち始める一方で、それぞれの個性も一層際立ってくる。こうして、集団としてのまとまりと柔軟性の双方を育む環境が生まれる。

ファシリテーターの役割

では次は、どうファシリテートするかだ。案内役としての私たちの責任とは何だろうか?突き詰めて言えば、私たちの役割とは、参加者が自分の内側にある世界の痛みに気づき、すべての生きとし生けるものとの相互のつながりを理解し、大転換を起こすために必要な力を再発見してゆくための一連の過程を提供することだ。

そのための具体的な作業とは……

― 第5章:p.134-137 より

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。