12. 瞑想集

第12章 大転換のための瞑想集

愛と慈しみの瞑想(全文)

目を閉じてからだを緩め、呼吸とともに緊張を吐き出してゆきます。いつも通りの呼吸を続け、こころとからだを落ち着かせてゆきます。息が出たり、入ったりするのを静かに観察しながら、あたまに浮かぶさまざまな思考を手放してゆきます…

では、あなたがこころから愛する人を一人、思い浮かべてください…こころの目で大切なその人の顔を見つめます…こころの中でその人の名をつぶやいてください…あなたからその人へと、愛のエネルギーが流れ出しているのを感じてください…この人が恐怖から解放されることをどれほどあなたが願っているか、この人が欲や悪意、混乱、悲しみ、苦しみを生み出すすべてのものから自由であることをどれほど強くあなたが望んでいるかを、感じ取ってください…その強い願いが、愛と慈しみなのです…

温かな流れが心臓から流れ出ているのを感じ続けてください。毎日接する人たち、ともに働く人たちを思い浮かべ、彼らの姿をこころの目で見ます。家族、親しい友人たち、同僚…あなたの周りに彼らの存在を感じてください。その一人ひとりを順に見つめ、こころの中で彼らの名前をつぶやいてください…彼ら一人ひとりにも、愛と慈しみの流れを出し惜しみなく順に向けてゆきます…中には、一緒に居ると居心地の悪い人や、あなたと対立している人もいるかもしれません。そういう人たちに対しては、なお一層、彼らが恐怖、憎しみ、欲、無知、苦しみを生み出すすべてのものから自由であるように強く願います…

ではもう少し輪を広げ、あなたの親戚や知人を思い浮かべましょう…彼らの顔を一人ひとり思い浮かべ、そこに愛と慈しみの流れを向けてゆきます。ここでもまた、彼らが欲、恐怖、憎しみ、混乱から自由であるようにと願います。すべての人が幸せでありますように…

彼らの向こう、より遠くへと輪をひろげてゆきましょう。そこには今、あなたと共にこの惑星で生きているすべての存在があります。まだ出会った事はなくとも、思いもよらない結びつきで、あなたとかれらの生命はつながっています。彼らに対しても同様に、愛と慈しみの力強い流れを差し向けてください。生きとし生けるあらゆる存在が憎悪、欲、混乱から目覚め、苦しみから解放されるようにというあなたの願いと意図を感じてください。

古い仏教の瞑想では、この愛と慈しみをすべての餓鬼、成仏できずに苦しみの中を彷徨(さまよ)う魂、今なお恐怖と混乱に取り付かれている魂へも向けてゆきます。どうか彼らが安らぎを得られますように…どうか彼らが愛と慈しみのうちに安らぎ、そのこころに深い平安が訪れますように…

では想像力を使って、この惑星を越えてゆきましょう。宇宙、他の太陽系、他の銀河系、仏たちが住むここ以外の場所へと。愛と慈しみの流れは物理的な距離には左右されません。ですから今、この流れを光線として、すべての存在の中心に向けて放ちます…あらゆる場所のすべての生きとし生けるものに対して、恐怖、欲、憎しみ、混乱から自由であって欲しいという私たちの切なる願いを向けてゆきます…あらゆる存在が幸せでありますように…

では今度はその宇宙空間から、我が家である私たちの星へと目を向けましょう…それが、真っ暗な空間に浮かんでいるのを見てください。まるで太陽の光を照り返す宝石のようです…レースのような白い渦で飾られた碧(あお)く輝く生きた惑星、それがあなたの源(みなもと)、あなたがこれまでに出会い、大切にしてきたすべてのものを生み出した場所です…この時、この星が、いやます危機と数々の傷を生き抜いていけるよう、どれほど強くあなたが願っているかを感じてください。癒しのための愛と祈りを、力強い流れとしてこの星へと差し向けてください…

では、ゆっくりとこの惑星に近づいてゆきましょう。どんどん、どんどん近づいて、私たちが今いる地域、この場所まで…ここまでたどり着いたら、そこに存在するすべてのものの中でも、あなたが最もよく知っている存在を見つめます…この惑星で生きるために、あなたに与えられた人間の姿を…この人が、愛を必要とし、正しい事をなしたいと強く願っていることをあなたは知っています…その顔、あなた自身の顔を、こころに思い浮かべてください…愛を込めてその名を呼んでください…ここにも同様に愛と慈しみの力強い流れを向けつつ、生命あるこの存在が、恐怖から解放され、欲、憎しみ、無知、混乱、苦しみを生み出すすべてのものから自由であることをこころから願います…あなたとすべての生きとし生けるものとを結びつけてきた愛と慈しみの大きな流れが、今、あなた自身へと差し向けられています…その無窮(むきゅう)の豊かさに気づいてください。

― 第12章:p.412-415 より

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